まちづくり集中講義〜医療・福祉のタブー編〜で、くちビルディングを主催するグッドネイバーズカンパニーの吉永氏から聞いたことが記憶に残る。
「日本の普通教育の枠に収まらない子はどこに行くか知っていますか。フリースクールもありますが、最近はインターナショナルスクールに行くんだそうです」
またある日、動画制作の打ち合わせ中に、こんな声があがった。
「多様性の社会といいながら、なぜ副音声や字幕はオプションで選ぶのでしょうか?むしろ、副音声なし、字幕なしがオプションであるべきではないですか」(その提案によって、副音声なしと字幕なしをオプション設定にした)
日本では近年「多様性を受け入れよう」という流れがある。主に、社会的弱者を受け入れるという文脈で。しかし「受け入れる」というスタンスそのものが マジョリティとマイノリティという対立構造を生み出すということに気づかされる。むしろ社会的弱者だけでなく、個々人に得意不得意の凸凹があり、価値観や育った背景も多様である。複雑で手間はかかるが、その前提のもとに制度を作っていけば、より皆が暮らしやすくなるのではないか。
インターナショナルスクールでは、価値観を含め背景が多様なこどもたちが集まることを前提としている。そこでは暗黙の了解ではなく、わかりやすく受け入れやすいルールづくり、環境づくりを行い、また制度に人を合わせるのではなく、人をみて制度を柔軟にかえていくからこそ、障がいのある子どもも通いやすい場となっている。
そうした環境づくりは他民族国家であるオランダでも多々みられた。そのうち紹介していきたい。