日本と同じく米国でも、保育にまつわる負担が家計やキャリアに大きくインパクトをもたらしているようです。


米国では、年々保育サービスが高価で手が届かないものとなっており、1人の乳児の子供の平均週費用は、保育園では211ドル(約22,600円/週)、乳母の場合は596ドル(約63,837円/週)かかります。( 出典:National Association of Child Care Resource & Referral Agencies)日本の認可保育園は年収によって異なりますが中央値で月2~3万円の費用なので、週に換算すると5,000円~7,500円と考えると、なんと実に4倍以上もの費用がかかることがわかります。

そのため、Care.com 2019 Cost of Care surveyによると、米国政府は「適正な保育費用割合」を家族収入の7%以下と定義しているのに対し、調査回答者の7割がそれを上回った保育料を支払っていると報告しています。こうした費用は家計を圧迫し、6割以上の人が保育のためにキャリアチェンジを行ったと答えていますのでその影響力の強さがわかるでしょう。その結果、アメリカではstay-at-home parents(いわゆる専業主婦・主夫)率が1989年と同程度の割合まで増加しました。預けて働いても収入が手元に残らないからです。

7割の家族はそうした財政状況でも今のところはなんとかやっていけると回答していますが、その方法として、彼らは今までよろもさらに貯蓄を切り崩す、労働量と支出を減らすという選択だけでなく、子供の数を増やさないという、アメリカの将来に大きくかかわる手段を取ろうとしています。



浦田 遥

Roof.LLC共同代表/東京大学大学院工学系研究科修了(都市持続再生学)
地域の良さを吸収・展開しながら、世界各地を旅するように暮らす転勤族の妻で1児の母。現在はミシガン在住。多様性を活かして生きづらさを解消する仕組みの研究・実践中。なお、自身の生き心地のよい暮らしは、週3社会のためになる仕事をして、2日は研究、2日は家族と過ごすこと。

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