2021年6月に加古川駅前の寺家町商店街の中に新しくかわのまち保育園が開園します。かわのまちほいくえんの運営者は、東播磨生活創造センターかこむを運営しているNPO法人シミンズシーズです。これまで東播磨で様々なまちづくりをおこなってきたシミンズシーズが「まちの人と毎日をつくる保育園」をコンセプトにつくる保育園です。今回はそのロゴマークデザインのプロセスをご紹介。

ロゴマークのデザインは保育園運営の中心メンバーとRoofでおこないました。「そもそも寺家町にある保育園ってどんな保育園?」や「まちの人と毎日をつくるってどういうことだろうか」とか、「どうすればわかりやすくつたわるだろうか」などを繰り返し話し合いました。


起業やブランドなどのロゴマークを並べ替えながら、方向性の整理。


そこで出てきたアイデアが、ロゴをつくるプロセスを通して商店街のみなさんに保育園のことを知ってもらうこと。具体的には商店街のお店を一つづつ伺いながら「かわのまちほいくえん」をひらがなで書いてもらいました。そこでは、「今度あそこに保育園できるんですよー」とか「商店街にこどもがいるっていいですよねー」とか、商店街で文字を集める中でどんどんコミュニケーションが生まれていきました。まちなかで文字を集めてロゴにするのはありきたりなアイデアのようで実はコミュニケーションのきっかけとしては使えることがわかりました。



ここからは集めた文字をひたすら並べる作業。集めた文字をすべて印刷して、「あの人の”か”が使えそう」とか、「この”ま”は絶対使いたい」などを一つ一つ見ていきました。


集めた文字を並べた状態。同じひらがなでもそれぞれにクセがあります。


使う文字が決まったら次は並べ方の検討。縦書き?横書き?まっすぐ?曲線?など「かわのまちほいくえんらしい並び方」をひたすら探しました。かなりたくさんのパターンを検討しながら、徐々に決まっていきました。



ある日、急に工事が始まって、またある日に急におしゃれな看板ができて、ちょっとおしゃれな保育園が始まるだけでは、「まちの人と毎日をつくる保育園」にはならないでしょう。
これからみんなが目にするロゴをみんなでつくる。「この”ほ”は私の字やねん」って自慢してもらえるようなロゴに育っていってほしいなと思います。ただロゴを作るだけのプロセスでも、やり方一つでいろんな人を巻き込んで進められます。

かわのまちほいくえんホームページ:https://peraichi.com/landing_pages/view/kawanomachihoiku


NPO法人シミンズシーズ:https://www.npo-seeds.jp/


在間 夢乃

1993年 兵庫県播磨町生まれ、在住。
京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 デザイン学専攻修了
グラフィックデザインを中心に映像やアニメーション、人サイズのプロダクトデザインに取り組む。
明石高専で建築を学んだこと、離島にルーツがあることから地域に関心を持つ。

コンテンツに戻る